今年の8月は記録的な雨続きでまるで梅雨のようでしたが、下旬にきてようやく夏らしい暑い日が戻ってきました。
久しぶりにかっと照り付ける太陽を見た気がします。

そんな中、26日の夜、豊洲シビックセンターホールでの演奏会に行ってきました。
題して「真夏の夜のピアノトリオ」
出演者はプロの女性ヴァイオリニストと男性のピアニストとチェリスト。
この男性二人は数々のコンクール入賞経験を持ちながらも、現在は弁護士、コンサルタントとして別の仕事を持っていて、くくりでいうならアマチュアということになります。
でも素晴らしい演奏でした。
プログラムにこの女性ヴァイオリニストが書いていた「アマチュア=愛好家、の意味で言えば、音楽を生業としていても永遠のアマチュアでいたい」という一文が胸にしみました。

そしてこのヴァイオリニストは、今を去ること25年近くも前に、お母さんに連れられてピアノを習いたいと私の教室を訪ねてくれたN・Hちゃんなのでした。
ピアノを習うのは初めてでしたが、その才能は群を抜いていました。
みるみる上達し、将来を楽しみにしていた4年生の頃、本人が実は小さい頃からヴァイオリンに憧れていたことを知りました。
4年生というのはヴァイオリンを始めるには遅い年齢だと思うのですが、本人の大変な努力があったのでしょう。
紆余曲折ありましたが、結局藝大のヴァイオリン科に入り、プロの道へ進むことになりました。現在はスイスで活躍しています。
私は彼女が中学を卒業するまでピアノを教えましたが、音楽の女神様に愛されているとはこういう子のことをいうのだな、思ったものです。
もって生まれた才能と、彼女自身の不断の努力があるのでしょう。
この夜の彼女の演奏は以前とはまた違って、ぐっと大人っぽく艶やかなものでした。

Hちゃんはコンサートの翌日、もうスイスに帰りました。
ゆっくり話すこともできなかったけれど、またいつか成長した彼女の演奏を聴く機会もあるでしょう。
彼女の演奏にきちんと向き合える自分でいたい、と思います。
窓からの夜景が素敵な豊洲シビックセンターホール