寒い、寒いと決まり文句のように毎日唱えていましたが、気が付けば何となく暖かい日が続くようになってきました。
春が近づいてきたのかなあ。
先日、私は友人と立教大学交響楽団の卒業演奏会に行って来ました。
私の生徒のN.Kさんが立教大学オーケストラ部の4年生で今年卒業なのです。彼女は大学に入学したときからオーケストラ部に入り、以来4年間ずっとそれは熱心に活動をして来ました。
彼女は教職課程をとっていましたからとても忙しかったと思うのですが、オーケストラ部の練習に欠かさず参加し、アルバイトで学童保育の先生もやり、しかもピアノにも通ってくるという大変ハードな4年間を過ごしました。ピアノについては、ブラームスのラプソディー1番を完成させましたから、忙しいのを言い訳にせず、きちんと練習してレッスンに通って来ていました。
Nさんが私の教室に来たのはまだ幼稚園に入ったばかりの4才くらいの時だったと記憶しています。お姉さんがバイオリンをやっているので、Nちゃんにはピアノをというご家族のお考えでした。丸顔で小さくてにこにこして、でも大人しいお嬢さんでした。とても聞き分けが良く、きちんとピアノの前に座って言われた通りにピアノを弾きました。
幼稚園、小学校と成長するにつれ、少しずつ私とおしゃべりも出来るようになりましたが、素直な性格はそのままで本当に手のかからない生徒さんでした。途中中学受験で1年間休会しましたが、合格後にすぐ復帰してくれました。その後引っ越ししたり、留学したりもあったのですが、ご家族のご協力もありずっとピアノを続けてきてくれていました。
彼女はこの4月から念願だった小学校の先生になります。きっと優しくて生徒から慕われる人気の先生になることでしょう。
立派なホールで堂々とファゴットを演奏する彼女を正面に見ながら、小さかったNちゃんの様子が何度も浮かびました。「新世界より」の壮大で華やかな演奏を聴きながら、ああ、Nちゃんはこの曲と一緒に本当に新しい世界に入っていくんだ、と思ったら鼻の奥がつ-んとしてきてしまいました。
社会人になったら大変なこと、苦労することがたくさんあるでしょう。でもきっとNちゃんはこの日の演奏のように、しっかりと前を向いて堂々と1歩づつ進んでいくことでしょう。
彼女に幸せな未来が待っていますように。
一人の少女の成長を陰ながら見続けることが出来て、ピアノの先生としての幸せを心から感じた夜でした。